あさいはそう思います

面白いと思う人と面白くないと思う人とキモいと思う人がいます

〜自然に感謝する心〜#宮城#3.11#漁村留学

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宮城県石巻市雄勝町
ここは漁村・桑浜です。

ゆるやかな波の動きに7年前の面影は感じられません。


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中学2年生の2011年3月11日、
東京にて東日本大震災を経験しました。


部活から帰宅し、カップ麺を作ろうとやかんを火にかけて落ち着くと、
突然、近所の犬が一斉に吠え始め、
少しマヌケなうちのトイプードルもワンテンポ遅れて吠えながら、
玄関に飛び出していきました。


犬と遊ぼうとして、その後ろ足を追いかけて自分も玄関に向かおうとした次の瞬間、

ドーンっ

今までに経験したことのない、
何かに襲われるような、
床が逆さまになって降るような、
そんな感覚を覚えました。


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それから15分後、
写真の場所は水没しました。


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「一回、地獄を見てるから。目に見えないものや自然に感謝しないと。
自然が怒ってたんだ。」


漁師の今野さんがずっと住んでいた家は流され、
隣人は亡くなっていきました。

村は壊滅状態。
陸の孤島と呼ばれたこの場所に、
もはや人は住んでいないだろうと、
思われていたそうです。


「生かされたからには役目を果たさないといけない」

先祖代々、人と繋がりながら生活をしてきたそうです。
先祖がやっていたことは結局ずっと代々繋がっていっているらしい。
現在は新居で民宿を営みながら、
名産・ホヤの養殖等を行っています。




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現在は堤防や埋め立て工事等で、
大きなトラックがひっきりなしに走っている雄勝町

住人は山側に引っ越し、
街の開発によって川が汚れ、
流れた海が澱んでいき、
その影響は、
ホタテが採れなくなってきている等で、
確実に出てきているそうです。



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今回、何故ここに来たかというと、
「漁師になりたーい!」
という出来心とかではなくて(漁師の体験は一生できないだろう、という意味で関心の入り口ではありましたが)、
人生最大の困難から生き残って今輝いている人々、
自分が知っている一番大きな災害を乗り越えてたくましく生きている人々に会ってみたかったからです。
そんなこんなでネットサーフィンをしていると(そのくらい暇なやつというツッコミは受け止めます)、
ピースボートセンターいしのまきのイマココというプログラムを発見しました。


多くの災害に見舞われる日本、
そこで生まれ育った人々は何者なのか、
自分は何を大事にして生きていきたいのか、
と考えさせられることが沢山あります。

僕自身も弱冠20年と少ししか生きていないながら、
結構な困難に遭遇したり、
幼い頃から人の弱さに気付かされてきました。
今通っている大学・学部を選んだのも、
意識せずとも、きっとそのような過程があったからだと思います。

だから社会人になる前に、
一度はしっかりと訪れてみたいと思っていた場所です。

この前、久しぶりに母校の高校に帰ると、
3年間変わらず担任を務めてもらった熱い先生に、
「あさいって常に何かに迷いながら生きていたよね」と振り返られました笑
積極的に行動するようにしてからはモラトリアムに陥ることも減りましたが…
それでも最近は「哲学せんといて」とのツッコミはよくいただきます笑
僕のキモさの源泉はきっとそこでしょう。


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ご夫婦は朝2時頃には起きて、支度をしています。
常に危険が伴う漁師の仕事なので、
いつも四方に手を合わせてから出発します。

新鮮な海鮮は今までに食べたことがない程、
身体が喜ぶ、欲する味でした。
お腹いっぱいになっても飽きずに食べられる。
普段は高価でなかなか食べられないホヤやアワビも。
当然のように目の前に並んでいる光景は漁村ならでは。
全ての食材に心底満足でした。

また不思議だったのは、
最初にホヤなどを食べて感じた味より、
自然の中で仕事していく中で、
より一層自然的な味が感じられるようになったのです。
大げさに言うと、
自然を守る神が降りてきたかのような笑
味を知る権利を与えてもらったかのような。
気がつくと全身で自然そのものに感動していました。



「お前には自然に感動する心が足りない」
初日に言われました。
インターネットが発達した現代社会では、
常に情報が流入してくるため、
自分の軸や信念、アイデンティティーのようなものが、
より重要性を増すと聞いたことがあります。
一方で考えることが多すぎるから、
目の前のもの・ことに感謝できていないのだと言われました。

最近の若者はコンビニ弁当ばかり食べてるから頭の回転が悪くなっているらしく、
手を動かすのも、口を動かすのも遅いのだとか。
「おまえもコンビニか!」
人生で初めてだったこのツッコミは、
5日間を通して何度もいただきました。
津波で日本が潰れるのではなくて、心が無くなって潰れるんだ!」

この桑浜・漁師民宿は、
以前から偶々エラい人やエリートがよく泊まりに来るそうで、
女将のきつ子さん曰く、
「日本人が忘れている礼儀正しくて真面目な日本人がここには集まる」
そしてそのような人たちは必ず自分のルーツ探しをしているとのこと。
自分探しをすると岐路で迷わなくて済むようになるのだとか。

「日本のリーダーに見られる人になれ」
お兄さんはおしゃべりが得意で、福耳、財運のある手相も持っている、
だから何でもきちっとやりなさい。
褒めていただいてすぐにニヤニヤしてしまうのが自分の悪いところですが。笑
気の引き締まる言葉をいただいた。
早口で東北弁が難しいけれども、
津波で生き残った方が発する言葉に、
ずっしりとしたものを感じる。
わかってくれる人がいればそれでいい。
その言葉を信じて自分磨きを頑張ればいい。
人生反省の繰り返しです。笑



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ちなみにこの民家はほとんどがリピーターになって戻ってくるようですよ。
来ると元気になるパワーみたいなのが、
あるのでしょう。